中国・深センの世界最強電気街・華強北への行き方、出入国の注意点など完全マニュアル
|デジモノが好きな方にとって、今や世界最強のパラダイスとも言われる中国広東省深セン市にある、「華強北」の電気街。秋葉原の30倍あるとも言われる巨大さも中国らしいですね。香港の北にあって香港から行けるということは有名ですが、実際に行くとなると初心者の方には色々とハードルが立ちはだかるのも事実です。
一番簡単な行き方は?出入国は?通貨の両替は?深セン現地での移動は?言語は?・・・などなど、これから初めて深センに行く方にとっては色々と疑問点も多いので難しく感じてしまいがちです。しかし、ご安心ください!香港まで行ける人であれば、そこから深センに行くのは難しくありません!
そこでデジモノ好きの貧乏ノマドトラベラーである私が実際に行ってきたレポートを交えて、深セン・華強北に行くための全情報を解説します。
目次
深センへ行く前に香港で準備しておくこと
日本から深センへ行くには、香港からのルートが最も手軽です。香港ならLCCの便もたくさんありますし、国際都市として発達しているので宿や食事などにも事欠きません。
私はPeachで香港に入り、香港に滞在しながら深センに行きました。香港から深センに行くことには、便利さ以外にも理由があります。それは準備がしやすいことです。香港で準備しておきたいことは2つ、「両替」と「SIMの購入」です。
両替とは、日本円→香港ドルの両替です。香港滞在でも必要ですし、深センで使う中国の人民元への両替にも使います。なぜなら日本円から直接人民元に両替するよりも香港ドルからの方が最終的にレートがオトクなので、深センで使う分も含めて香港ドルを調達します。
香港ドルの両替は、一番オトクなレートで両替する方法を解説しているページがあるので、詳しくはそちらをご覧ください。この時に重慶マンションで人民元まで調達する必要はありません。人民元は中国に入ってからのほうがオトクです。
もうひとつは、SIMの購入です。香港滞在中のネット利用にも必要ですし、国境を越えて中国に入った時にも必要です。中国には金盾(グレート・ファイアー・ウォール)と呼ばれる有名な検閲システムがあるので、Google、LINE、Facebook、Twitterといった私たちの生活必需品のようなサービスが使えません。確かインスタグラムもダメだったと思います。
そのため、日本と同じ感覚でネットを利用するには香港で使える現地SIMに加えて、「中国で金盾の影響を受けないSIM」が必要です。具体的には香港のキャリアからローミングをすることで香港経由の接続となり、中国国内でも同じようにネットが使えるようになります。それができるSIMはいくつかありますが、私が買ったのはチャイナ・ユニコムの香港&広東省SIMです。
いつものように、香港でのSIM調達は下町の深水埗で。深水埗でSIMを探す方法、買う方法のレポートもありますので、詳しい買い方はそちらで解説しています。今回はこの露店が一番安いようだったので、ここで買いました。
余談ですが、この深水埗は安物パラダイスです。変なデジモノや怪しいものも多数売っていますので、その意味でも行ってみる価値はあると思います。
買ったのは、先ほどご紹介したチャイナ・ユニコムの香港&広東省で使えるSIMです。
パッケージを見ると30日間使えて上限が1GBというSIMです。滞在日数を考えると、これで十分です。額面は129ドルですが、この露店では50ドルで買えました。深水埗まで来た甲斐があるってもんです。
ひとまずこのSIMを装着、アクティベートしておきました。3GのSIMなので若干スピードが遅いですが、海外旅行なので全然問題ありません。
これで、香港でできる準備は完了です。
あと、香港と深圳の往来は国境を越えるので行く時はパスポートをお忘れなく。それともうひとつ、ちゃんとインクの出るボールペンを1本必ず持って行ってください。その理由は後述します。
香港MTRで羅湖→深センのルートが最も簡単
いよいよ深センに向かいます。色々とルートはありますが、香港のMTRで羅湖(ローウー)を目指して、そこから徒歩で国境を越えるのが最もお手軽です。私も毎度、この方法で往来しています。羅湖への香港MTRは予約も不要で簡単に乗れます。始発は九龍の紅磡(ホンハム)駅から。私はいつも利用している安宿が旺角にあるので、その近くにある旺角東から乗っています。
旺角東から羅湖までの運賃は、切符だと40ドル。
しかし、ICカードのオクトパスだと38.1ドルです。手軽さや迅速さを考えても香港滞在でオクトパスは必須だと改めて実感します。私も移動やコンビニの支払いなど、色々なところでオクトパスを活用させてもらっています。
それでは、電車に乗りましょう。ホームで待っていると羅湖行き以外の路線も来ます。どれも行く方向は同じなので最終的に上水という駅で乗り換えればOKなのですが、座って行きたければ羅湖行きに乗りましょう。
見ての通り、電車はかなり頻繁に来ます。なので、乗り遅れても大した問題ではありません。通勤快速のノリで乗ってOKです。
ここから電車に乗ること40分程度で、羅湖駅に着きます。羅湖駅は深センに行くためだけの駅なので、駅を降りたら向かう方向は1つです。案内表示に従って、私たち日本人を含む外国人は「訪港旅客」のほうへ進みます。
香港人の往来が圧倒的に多いので、人の流れで間違えてついていかないように注意してください。
この先に、香港の出国手続きがあります。香港の出国手続きは2017年の終わり頃から自動化されていっており、今回はすでに自動化されていました。自動改札みたいな機械にパスポートの顔写真が入っているページをスキャンして、OKになったら次に右前にあるカメラに向かって顔のスキャン、それがOKになったら出国完了です。ものの30秒ほどで終わります。
前回、2017年11月は香港空港の出国ゲートだけ自動化されていましたが、羅湖はまだでした。今回(2018年3月)はすでに羅湖も自動化されていた次第です。
香港を出国すると、歩いて中国に入ります。日本は島国なので、歩いて国境を越えるという感覚がとても新鮮です。
向こうが中国で、後ろが香港。
国境には川があるので、川の向こうは中国で手前が香港です。
この川を渡ったら、次は中国への入国です。
中国入国時の注意点
中国へ入国するには、入国カードを記入してパスポートと一緒に差し出すだけ・・・だったのですが、今回から指紋の登録という手続きが増えていました。というわけで、イミグレに向かって左にある指紋登録機へ行きます。すると、こんな機械があります。
まずは画面をタッチ、そして緑色に光っているスキャナーに「左手の指4本」→「右手の指4本」→「両手の親指」という順に指紋をスキャンさせます。OKとなっても特にレシートのようなものが出てくるわけではないので、OKとなったらそのまま入国カードの記入に進みましょう。
こんな用紙が記入台に雑然と置かれています。ここで、先ほど持参必須だと行ったボールペンの登場です。記入台にボールペンが設置されているのですが、持ち去られてなくなっているものやインクが出ないものなど、まぁ使い物になりません。初めて私がここに来た時はどうしようもないのでイミグレ職員の私物ボールペンを借りた次第です。
日帰りであれば中国国内の住所は不要ですが、滞在する場合はホテル名を記入します。ビザ番号とビザ発行地については15日以内のノービザ訪問であれば記入不要です。フライト番号は空欄で構いません。だって歩いてきたんですから。
逆に必要なのは姓名、国籍、パスポート番号、生年月日、性別、「入境事由」、そして一番下のサイン。「入境事由」は無難に観光でいいと思います。
このカードとパスポートを持って、「外国人」と書かれているイミグレに並びます。OKとなったらハンコが押されてパスポートだけ返却されます。後は税関を通り抜けて、いよいよ中国に入国です!
深センに入ると、漢字が簡略字になっていることで改めて中国に来たことを実感させられます。
ここでやっておくことは、香港ドルから人民元への両替です。
羅湖駅の建物内にたくさん両替屋があるので、好きなところで両替します。レートはどこも横を見て商売しているので差はありません。到着フロアの1階より出発フロアの2階のほうがレートが良いという噂もありますが、私が行った時は同じでした。
100香港ドルと100人民元が同じ色目で何となく似ているので、間違えないようにしてください。中国に入ったら香港ドルは財布の別のところに分けて管理しておきましょう。
この日の深センは快晴、きれいな青空が広がっていました。右側に羅湖商業城というショッピングモールがありますが、ここは有名な「コピー商品しか売っていないビル」です。
別の機会にこのビルで中を見て回ったことがありますが、本当にコピー商品ばっかりでしたw
客引きがしつこいので、そういうのが嫌いな方はあまりオススメできません。今回はこの華強北が目的なので、ここはスルーして地下鉄に向かいましょう。この大通りを真っすぐ奥に進むと、地下鉄に降りるエスカレーターがあります。
深セン地下鉄の必需品、「深圳通」を購入しよう
地下鉄の羅湖駅(こちらは同じ駅名ですが、簡略字になります)では必ず、「深圳通」というICカードを購入しましょう。羅湖駅の改札近くに販売ブースがありました。他にも自動販売機もあります。
これが販売ブースです。
ここで買う場合は「チンゲイウォ、ツァーガ(これください)」と指させばOKです。100元で50元がすでに入金済みのカードを売ってくれます。自動販売機で買う場合は、改札に向かって右の通路を前に進むとジュースの自販機と並んでカード販売機があります。
私は使っていないので分かりませんが、ネットにこれを使って購入する方法の解説があったと思います。
私はドラえもん絵柄のやつを買いましたが、キティちゃんもありました。もしかして公共交通機関までコピー上等?
使い方は、いたって簡単。香港のオクトパスと全く同じで、タッチ箇所にピッと当てるだけです。香港オクトパスと同じように、残高を確認できる機械もあります。ちゃんと使えるのか気になったので(なにせ中国なのでw)、試しにピッと当ててみたらバッチリでした。
深セン地下鉄の乗り方
深センの地下鉄には、手荷物検査があります。飛行機に乗る時と見た目が似ていますが、もっと簡素なものです。手荷物を検査台に載せるとベルトコンベアで運ばれて中身をチェックしているのですが、検査マンがめっちゃやる気無さそうにダラ~ッとしています。スマホを触りながら仕事している検査マンもいるので、まぁとりあえずやっときましょという程度なのでしょう。
ただし、ペットボトルの飲み物だけは厳しくチェックしているので持ち込まない方が無難です。スマホと財布はポケットに入れたまま金属探知を通過しても何も鳴りませんでした。
手荷物検査を終えたら、次に改札機があります。ここで深圳通をピッと当てるとゲートが開くので、そこから駅に入ります。
それでは、ホームに下りていきましょう。ホームの感じは香港の地下鉄を見た後だと全く違いが分からないほどよく似ています。新しいのでとてもきれいです。香港側と同じ羅湖駅ですが、漢字が簡略字になっていますね。
車内の表示は分かりやすいですし、車内の雰囲気も悪くありません。
車内の雰囲気は、こんな感じ。
香港の地下鉄と決定的に違うことがあります。それは、企業の広告がないこと。香港の地下鉄は駅や車内にこれでもかと広告があふれていますが、中国ではそれがありません。その代わりに「強い中国を作ろう」「中国を愛そう」みたいなスローガンが張り出されているので、このあたりは共産中国を感じさせます。
今回は初めてということで、地下鉄を乗り換えて華強北駅に来ました。ようやくここまで来ました!
それでは、地上に上がってみましょう。華強北は中央にだだっ広い大通りがあって、その両側に電気関係の店が無数に入っているビルが並んでいるという形になっています。いわゆる問屋街なので、果てしなく問屋が続く風景も見ることができます。
それでは、華強北の風景をどうぞ。
途中で立ち寄ったレストランではワンタン麺を食べました。
とにかく規模がデカいです。1日で回ろうなんて思ってもムダです。
興味のありそうな分野のビルを見つけたら、その中でしげしげと見て回る感じが良いと思います。変なデジモノも結構売っているので、次回あたりに目星をつけて買ってみようかと思います。
今回は歩き回るだけで相当なカロリー消費になったので、華強北ウォーキングになりましたw
香港への帰りは行きと逆のルートで手続き
帰りは、行きと同じルートを逆に回ります。中国の出国時には出国カードを記入してパスポートと一緒に提出します。確か、指紋の照合もあったように思います。行きに登録した指紋と同一人物かどうかをチェックしているものと思われます(記憶があいまいですいません)。
記入欄は入国カードよりも簡素化されています。フライト番号は、これまた歩いて帰るので記入不要です。香港に再入国する際には、日本から入国した時と同じ入国カードを記入します。どこから来たのかという記入欄があるので、そこには「shenzhen」と記入すればOKです。
羅湖から香港市街地への鉄道は、18時頃からかなり混み始めます。立ったまま40分はキツいので、17時くらいまでには羅湖からの帰途につきたいところです。
まとめ
今や世界一の電気街、深セン華強北へ向かうには香港からの鉄道ルートが一番手軽でオススメです。香港で準備をしたらMTRで羅湖に向かい、そこから徒歩で国境を越えて深センに入り、深センでの移動に欠かせない深圳通を購入したら、後は華強北へGO!
今回は乗り換えを経て華強北駅に向かいましたが、華強北の大通りは北に華新駅、真ん中に華強北駅、そして南側に華強路駅があります。どの駅からでも大通りに出られるので、羅湖駅から乗り換えなしで行くなら1号線の華強路駅が一番ラクです。
キャッシュレス決済やEV、電動原チャリ、街中を飛び回るドローン、セグウェイみたいなので移動する警察官・・・まるで未来都市のような風景を楽しむことができるので、ぜひ行ってみてください!