田舎の学校に泊まるレアな体験はいかが?陸前高田市二又復興交流センター(岩手・陸前高田)
|東北は岩手県の陸前高田市と言えば、「奇跡の一本松」で知られる東日本大震災の被災地です。震災の影響もあって学校の統廃合も相次いだわけですが、矢作小学校・中学校もそのひとつです。廃校になった矢作小学校・中学校の跡地がホテルとしてリニューアルされたというので、せっかくなので「学校に泊まる」という体験も兼ねて被災地訪問の宿として泊まってみることにしました。
陸前高田には、あの「奇跡の一本松」が
陸前高田市は沿岸部に街の中心部がありますが、そこに津波が押し寄せて何もかもが流されてしまいました。この訪問時も沿岸部は大半が更地で、ようやく一部にショッピングセンターや道路などがチラホラとでき始めているという状況でした。
ちなみに、「奇跡の一本松」も見学してきました。すでに松の木は死んでしまっていて、今は再生処理をしたモニュメントとなっています。一本松の後ろにあるユースホステルの建物が痛々しい状態で残されているので、被害の大きさが分かります。
被災地から今泉街道を上がると見えてくる校舎
そんな風景が続く国道45号を「奇跡の一本松」が近くにある交差点を左折、さらに左折して今泉街道をひたすら山を登っていきます。曲がり角には小さな看板が出ています。「簡易宿泊所」「交流センター」など表記に統一感はありませんが、他に何も施設はないところなので、看板を頼りに走っても十分たどり着けます。
走ること10分少々で校舎が見えてくるので、駐車場にレンタカーを停めて校門から入ります。
校門を抜けると、そこはもう完全に学校の風景です。
学校なので、ちゃんと校歌の石碑があります。
朝礼の時に校長先生が立つ台(呼び名不明)もあります。
もうこの校歌を歌うことも、この壇上に上がる人もいないのですね。
ちょっと感傷に浸りつつ、宿のフロントを目指しましょう。
この二又復興交流センターというのが宿の名称なので、この扉を開けてフロントに入ります。
入ってすぐのところにフロントがあるので、そこでチェックインを済ませます。ホテルとなったものの、建物の中も完全に学校空間です。
これはもう、廊下を走ると怒られるやつですね。
客室は2階なので、階段で2階に上がります。
2階にある「教室」を入ると、その中に小さく間仕切りをされた「客室」があります。
私の部屋はこの写真の手前左なので、ここで宿泊です。
注目なのは、ロッカーや机が学校のものをそのまま使っていることです。
こんな机と椅子で勉強してたのかと愕然とするほど粗末に見えますが、まさに本物です。
チェックインを済ませたので、ちょっと校舎の中を探検してみましょう。
階段の踊り場には、手洗い場があります。リニューアルされていますが、ここに手洗い場があったのでしょう。
他の「教室」を覗いてみると、団体向けの部屋もあります。こちらの方が学校感が出ていますね。
続いて、トイレも見てみます。
リニューアルされていますが、タイルの感じを見ると学校のトイレ感がしっかりと残っています。
続いて、風呂も見てみましょう。学校時代には無かったものだと思うので、どうなっているのでしょうか。
いかにも学校という扉の中に男性用、女性用の風呂があります。
中にはユニットバスが並んでいます。
この日は宿泊者が少ないということでユニットバスを使ってくださいということでしたが、宿泊客が多い日は大浴場が使えるそうです。
長期滞在者向けに、有料の洗濯機もあります。
食事は、食堂で摂るシステムになっています。飲食はすべてここですることになっているので、飲食に必要なものがすべて揃っています。
でもこれ、おそらく元・理科室です。
この日は朝食のみオーダーしていたので、朝はこの食堂で食べました。
フロントで仕出し弁当を受け取って、食堂まで持って来て食べます。
この食堂で朝食を摂った後で身支度をしてチェックアウトとなりました。
1泊ですが、学校で泊まるというおそらく人生初めての経験ができたのでした。田舎の廃校というノスタルジーもかなりあるので、単に安宿で泊まるということだけでなく特別な体験をしたい方にオススメです。
なお、この日は1泊3900円でした。
ちゃんとWi-Fiも完備されているので、宿としてもの機能は必要十分です。
場所は、こちらです。