【写真19枚】淡路島にそびえる巨大すぎる廃墟「世界平和大観音像」の探訪レポート
|廃墟マニアにとって”聖地”とも言えるような巨大すぎる観音像の廃墟が、淡路島にあります。この観音像が現役だった頃からマニア受けするツッコミどころ満載の施設だったのですが、その持ち主が亡くなったことで持ち主が不在となり(相続人も相続を放棄)、大阪湾を見下ろすような出で立ちのまま朽ち果てるがままの廃墟となっています。
2018年9月に淡路島を通過した台風21号は被害甚大で、このコースだと観音像も遂に倒壊するか?!と言われていました。幸い倒壊は免れたのですが、台風が来るたびにダメージを受けているので、今回も無事では済まなかったことでしょう。今後さらにダメージが重なるといよいよ倒壊して見る影もなくなってしまいそうなので、この巨大廃墟の探訪レポートをまとめました。
まずは、この巨大観音像が何者なのかを解説しておきましょう。
この観音像は「平和観音寺」というお寺の中にあり、その象徴的な建物としてそびえ立っています。しかしこのお寺、何か特定の宗派というわけではなく、大阪で不動産業で財を成した人が個人的な趣味で建立したお寺です。そのため宗教施設としての資格はなく、自称・お寺です。営業をしていた当時から怪しげな香りが漂っていたので、裏観光地として知られていました。それが廃墟となり、いよいよ裏観光地としてその怪しげな香りを放ち続けています。
淡路島の北端から国道28号線を南下すると、東浦ICを過ぎた直後のあたりから右側に、「それ」が見えてきます。
写真を見てもお分かりのように、かなり巨大です。なんでも全高100メートルほどあるとか。
国道から進入路に入ると、真横から拝むことができます。やっぱり、デカい。
それでは、かつてあった平和観音寺に入っていきましょう。
「本日定休日」という表示が、早くもツッコミどころを発揮してくれています。いつまで「本日」やねん!
この門はなかなか興味深いので、もっと近くで詳しく見てみましょう。
交通博物館や美術館、民俗博物館や時計博物館とあります。
これらの施設はすべて、かつての持ち主が個人の趣味で集めたものを展示していたものです。相当な金持ちだったことがうかがえます。
この門の隣には、入場券の販売所があります。
大人は800円です。営業時間は九時五時です。
今となっては入場券を支払う相手もいないので、無賃入場させてもらいます。
「入場」すると、観音像の後ろ側から高台をぐるりと一周するような道を登っていきます。
そのため、観音像を色々な角度から見ることができます。まずは、後ろ姿。
次は、左斜め前から。
「センスがない」として失笑の対象となっていたダメダメ展望台のダメさ加減を楽しむことができます。問題になっている破損箇所も見受けられます。
こんな感じで表面がボロボロとはがれて落ちるので、危ないのなんの。
ところで、この平和観音寺には他にも香ばしいオブジェがあります。
まずは、自由の女神。
前にある小さな木との比較で分かると思いますが、5メートルほどの高さしかありませんw
次は、蒸気機関車。
私はよく知らないのですが、有名なD-51ってやつですかね?
価値のあるものだと思うんですが、朽ち果て放題になっています。
こちらは、ようやくお寺らしい建物です。
数えてみたら9つの屋根があるので、九重の塔といったところでしょうか。
別の角度からこの塔を見ると、最上階の屋根が崩壊しています。これも風に乗ってパーツが落下しているそうで、このネットはそれを防ぐためにつけられたそうです。
お寺なので、鐘もあります。こちらはほぼ無傷の状態で残っています。
つけば音が鳴りそうな気もしますが、今となっては鳴らす人はいません。
それではいよいよ、観音像の探訪です。
観音像の正面に立つと、こんな感じにそびえ立っています。
観音像の正面に来て、後ろを振り返ると大阪湾の絶景が広がります。
このお寺を建立した不動産王は、この風景がさぞや気に入ったのでしょう。
観音像には台座があって、その中は博物館や美術館などのビルになっています。
その台座ビルの正面に立って上を見上げると、観音像の大きさが改めて実感できます。
喉元のところにマフラーのようになっているのは、先ほどダメダメだと指摘した展望台です。
この台座ビルの1階には、かつての入口があります。
侵入者を防ぐためにバリケードが張られていますが、その一部が何者かによって破壊されているので、そこから中を覗くことも入ることもできてしまいます。
このバリケードは、1階部分のあちこちに設置されています。
台風などから守る役目もありそうです。
それでも無数の破片があるので、順調に崩壊は進んでいそうです。
それでは、中を覗いてみましょう。
中に入ったマニアもいるようで、中には階段で例の展望台まで登ったツワモノもいるそうですが、さすがにそれは危ないので1階部分だけ。ここは世界平和大観音像のエントランスだったところです。
別の角度からも見てみましょう。
結構内部は当時のまま時間が止まっています。
当時にしてはモダンな造りになっているように見えるので、しっかりお金をかけた内装になっていたのではないでしょうか。
ただ、「センスがなかった」ことが唯一の難点だっただけですw
それでは、総括。
世界平和という触れ込みで作られた淡路島の裏観光地は、今もその姿を意外に残している良質な廃墟です。
現役当時に訪問したことがありますが、喉元の展望台から見える景色は確かに絶景でした。しかし、自動車博物館という名の廃車置き場はほとんどの車がパンクしている有り様でした。
今となっては当時の繁栄は見る影もなく朽ち果てるがままの野ざらし状態なので、いつかこの観音像も倒れる時がくるのでしょう。次に見る時は立っているお姿ではないかも知れないと思いつつ、観音様に別れを告げたのでした。
場所は、こちらです。ご覧になりたい方は、観音像を安全に拝めるうちにどうぞ。