釧路の中心街が想像を大幅に上回る廃墟街だった件(北海道・釧路)

釧路というと道東最大の都市であり、日本銀行の支店や裁判所もあるという道東の拠点都市でもあります。かつては漁業や工業で栄えた歴史を持ちますが、今では過疎地域に指定されるほど衰退が続いています。郊外のショッピングセンターが繁栄する一方で釧路駅前から続く末広町などの繁華街は衰退が著しいということで、実際にその様子を見てきました。
そこにあったのは、予想を大幅に上回る廃墟街の姿でした。

かつてデパートがあった釧路駅ビル

北海道は鉄道網の衰退もしばしば俎上に上がります。釧路駅はその典型のような姿になっていて、駅ビルにかつてあった「釧路ステーションデパート」もなくなっています。今ではコンビニと喫茶店、営業時間が異常に短い土産物屋などが数軒あるだけの状態です。
それでは釧路駅を起点に、中心街の探訪に出発しましょう。

この駅ビルは線路の南側にあります。北側とは地下道で行き来することができるのですが、その地下道では駅ビルにデパートがあった名残を見つけることができます。おそらくここからそのデパートに入れたのではないでしょうか。

釧路駅前にも廃墟が並ぶ

再度地上に戻り、釧路駅ビルの正面に見える「オーシャン」というホテルのビルです。
すでにテナントはなく、ホテルも廃業しているので廃墟ビルです。駅前に並んでいるビルの多くがこの状態で、営業している店も開店休業状態のようです。

釧路駅前にあるスクランブル交差点から目抜き通りを見てみます。道東最大都市の目抜き通りという見方をすると、やはりかなり寂れていることが分かります。

大通りから少し入ったところの路地は、さらに冷たい風が吹きまくっています。
至る所に「テナント募集」の貼り紙がありますが、もうここに入居するテナントはいないでしょう。

こちらも建物全体の廃墟化が進行中です。

駅前から続く大通り沿いにも、こんな「使われていないビル」がたくさんあります。
ビルがたくさんあることで都会的な風景だと感じますが、すでにハリボテ化しているということです。

このビルは、中心繁華街である末広町の入り口あたりにあります。
国道44号線の交差点にあるので目立ってしまってます。

ホテルとフィットネスジムが一緒になった複合施設なのですが、すでに廃墟です。

これも大通り沿いにあるのですが、もはや何の建物だったのかも分かりません。壁がはがれていますし、まもなく解体されるのでしょう。

釧路の現状を象徴するような「kute」の廃墟

釧路・末広町で最も有名な廃墟が、こちらです。丸井三井という老舗デパートの建物だったのですが、それが閉店したことでリニューアル。kuteという名前で再出発を期したのですが、テナントが集まらずリニューアルすることなく閉店してしまったという死に体ぶりです。なんでも税金の滞納で釧路市から差し押さえされたという経緯もあるそうです。
ご覧の通りこの日は快晴ですが、1階部分にはあちこちから水がポタポタとしたたっていました。すでに館内は雨漏りだらけで、それがジワジワと流れ出ているのでしょう。

kute跡地ビルを反対側からも見てみましょう。
自転車が数台止まっていますが、どうも見た感じだと住み着いているホームレスっぽい人物のものだと思います。
晴れてる日に雨水が落ち続けるところに住み着くメリットってあるんでしょうか?

上の写真で向かって左、kute沿いの並木道も見てみましょう。
kuteの反対側には、ゲーセンの跡地が。ムーンというゲーセンがあったようです。

さらに並木道を南に進むと、「いなり小路」というゲートが見えてきます。
しかし、ご覧の通り。ゲートをくぐって入っても暖簾街は存在しません。辛うじて向かって右の飲食店は営業しているようです。

当然ながら、パチンコ屋もこういうことになります。

衰退する釧路中心部でも気を吐く阪神ファンの店

そんな状況で、営業している阪神ファンの居酒屋を発見。
関西から遠く離れて釧路でも生息している阪神ファン、そんな人たちのおかげでこの店は現役でいられるのかも知れません。関西に住んでいるとよくわかりますが、阪神の引力、集客力はさすがです。

夜の街には比較的明かりが

さて、この末広町付近は夜の街でもあります。
夜になると昼間よりはまだ活気があるように思います。しかし、歩いている人はほとんどいないので、ここで営業している店がいつまで持ちこたえられるかが心配です。

釧路は出張族の町でもあるので、出張族が入りやすいような居酒屋は結構流行っています。

さらに廃墟化が著しい釧路駅の北側へ

今度は末広町付近ではなく、釧路駅の反対側である北口方面も見てみましょう。
こちらはさらにひどい状況になっているので、廃墟好きの方にとってはパラダイスです。
地下道を抜けて釧路駅の北側に出て、いきなり入ってくる風景がコレです。営業している店は皆無です。

釧路駅の北側に「鉄北センター」というアーケード街があります。「鉄」の字のつくりが「失」ではなく「矢」になっているのが味噌です。縁起を担いだんでしょうけど、それが全く及んでいない現実があります。
それでは、この鉄北センターに入ってみましょう。

こんな状況です。おそらく営業している店はありません。

アーケード街が2本、並走するようにあります。そのアーケード街同士をつなぐ通路のようなところにも飲食店の残骸があります。

テレホンクラブ「モンロー」もあったようです。いいですねぇ、この昭和テイスト。

当然ながらほとんどが空き家なので、こういう貼り紙だらけになります。

鉄北センターを北側に出ると、ランチ&コーヒー「タッチ」が。あだち充先生の某漫画と全く同じロゴです。そういえばこの某漫画で登場する隣家は喫茶店でしたね。もちろんこの「タッチ」もすでに廃墟です。

釧路駅の北側にもパチンコ屋があったようです。もちろんここも廃墟。

ノーベル乾電池って何ですか?

ノーベル乾電池なんていうブランドを初めて見たのですが、こんなのあったんですね。この自販機はアンティークとしての価値がめっちゃあるんじゃないでしょうか。

総括

釧路駅を中心に南側の繁華街と北側のアーケード街を探訪してきました。もちろんその中には営業している店もあることはあるのですが、果たしてどこまで本気で商売をしているのか怪しい店がほとんどでした。
ホテルオーシャンの跡地近くには和商市場という観光名所があって、そこにはびっしりと商店が並んでいます。でもこれらは地元の人が行くような店ではなく、ほとんどが観光客向けの店です。すでに釧路は出張族や観光客向けのビジネス以外が成立しない模様です。
今後ますます廃墟化は進んでいくと思いますが、雨漏りだらけのkuteのように放置していることによる崩壊や倒壊が心配です。今はまだハリボテながらも建物がある状況ですが、そのうち危険性という観点から建物の解体が進み、更地だらけの街になってしまうのではないかと思います。
地方都市の空洞化は全国的な問題ですが、釧路の中心部を見ていると数年後、数十年後の日本各地の風景を見るような思いです。

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