廃墟化が進む恐怖の中心街、サンシティ~コザ中央パークアベニュー(沖縄・コザ)
|現在「沖縄市」と呼ばれているところにはかつて、「コザ市」という町がありました。沖縄市という地名から沖縄の中心で県庁所在地だと思ってしまう人もいますが、沖縄の中心は今も昔も那覇市です。この微妙な沖縄の中心部には、一見すると賑やかな中心街と思わせておいて実は廃墟化が進んでいるという恐怖の商店街があります。
目次
公式サイトやネット上の紹介だけを見るとずいぶん賑やかな印象が・・・
まずは、この周辺の紹介をしている公式サイトがありますので、それを見てみてください。
これだけを見ると、さすが沖縄の第2都市だと思う様相です。それでは現実に足を踏み入れてみましょう。
国道からは洞窟に見えた「サンシティ」
ところで沖縄市と言えば、廃墟商店街で有名な「銀天街」があります。当ブログでご紹介しているコザ吉原のすぐ近くにある元・商店街です。
参考⇒コザ吉原の風俗街跡と現役で営業中の微妙なスナック探訪レポート(沖縄・コザ)
銀天街ばかりが有名なので、私もてっきりコザの中心部は賑やかな町だと思っていました。それだけに国道から見える「サンシティ」のアーケードが洞窟に見えた時は衝撃でした。
このように、アーケードだけを見ていると沖縄の商店街らしい風情なのですが・・・
いざ、商店街の中に目を向けると「洞窟に見えた風景」が広がります。
これが国道から見えた時は、なかなかの衝撃でした。
しかし、外から見ていると暗く見えるので洞窟感が強くなりますが、中に入るとそんなに真っ暗というわけではありません。
でもシャッター通り特有の寂れた感じは十分にあります。国道に近いところでこの様相なのですから、中のほうはいったいどうなっていることやら。
道の左側には、コザという地名がしっかりと残っていることが分かります。地元では「沖縄市」という地名よりも「コザ」という地名のほうが親しまれているので、以後出てくる地名はコザだらけです。
商店街のアーケードから横にのびている道を見ても、寂れ感は免れません。
商店街同士の交差点で、かつての繁栄を偲ぶ
普通、商店街は1本の長い通りになっていることが多いのですが、コザの中心部は商店街同士が交差しているところが多々あります。
こういう風景を見るとかつての繁栄を偲ぶことができますが、今はこの有り様です。
交差点に立って別方向の商店街を撮ってみましたが、どっちがどっちか分からないほど同じ風景です。
つながれている猫にさらなる恐怖が襲う
ん?猫?白猫?
つながている?
近づいてみると、本当に猫でした。
営業しているのかどうかも分からない店でつながている猫・・・怖い・・・。
住居表示を見ると、地名からもここが沖縄市の中心部であることが分かります。
それにしても、小便禁止はまだしも排便も禁止しなければならないとは・・・怖い・・・。
米軍関係者御用達の店も、風前の灯火
ところでこのコザは米軍基地が近いので、商店街も米軍関係者御用達の店もチラホラとあります。
しかし昨今の米軍バッシングの影響で遊びに来る人は少なく、こうした店も風前の灯火です。
商店街の外に出ても、こんな感じです。
この写真の向かって右の方角に行くと、米軍の嘉手納基地があります。
往年はもっと賑やかな町だったそうです。
商店街に戻ると、このあたりにも米軍関係者に利用されていたっぽい店が見受けられます。
それにしても、ここもひどいシャッター通りです。
シャッターが半開きになっている店があると思って覗くと・・・ここも洞窟でした。
商店街のアーケードを抜けると、沖縄らしい家屋でありながらかなりサイケな店もあったりします。
次の商店街、「一番街」も探訪
先ほどまで見て回った「サンシティ」の反対側まで出てきました。
太陽の街というキャッチコピーが、一層寂しさを誘います。
さて次は、隣にある「一番街」という商店街にも入っていきましょう。
すでに外から見ているだけでも洞窟感が漂っていますが、もちろん中もこんな感じです。
右側に見えている「みやぎストア」のシャッターが半分開いているので、営業してるのかなと思って前に行ってみると・・・
うーむ・・・営業してるのか、してないのか。怖くて確認できません。
噂の「コザBOX」に遭遇
この周辺の商店街の情報を発信する基地、「コザBOX」です。
某サイトでは、このように紹介されています。
出典:http://www.2005keio.com/3dai.php
日本三大商店街という触れ込みで紹介しているわけですが、これは明らかに現地を見ていない人の文章です。さっきの行政ポータルサイトを見ただけだと、こう書いてしまうでしょうねw
それではお待たせしました、私が見た「コザBOX」をご覧いただきましょう。
その向かいには、顔ハメ看板もあります。なぜリオのカーニバルなのかは知りませんがw
この顔ハメ看板のバックにシャッター通りというのも、なかなかシュールやな・・・
商店街を歩いてみても、営業している店を見つけることができません。
別の角度からも。
ここでようやく、1軒だけ営業している店を確認できます。
商店街同士の交差点には、アーケードにこんな造作が。これって何の残骸でしょうね?
商店街の案内看板がありました。
これを見ると結構営業しているように見えますが、本当でしょうか?
もしかすると、かなり前の情報なのかも知れません。
店は開いていないが広島カープを熱烈応援
ところでこのコザの中心部は、キャンプ地が近いこともあって広島カープ推しです。
商店街のあちこちに広島カープを応援するフラッグが飾られています。
でも、開いてる店がないし、人は歩いていないし・・・
赤いフラッグだけが目立っているので、余計に寂しさを誘います。
別の角度からも。
商店街アーケードが終わるところまで来ました。
外にもさらに町があるので、さらに先に進んで行きましょう。
アーケードを抜けると、シュールすぎる壁画に遭遇
アーケードを出ると、ちょっとした飲み屋街?があります。
このあたりは夜になったら営業している店が多そうです。
よく見ると、提灯も広島カープ仕様です。
広島市内以外でここまでカープ推しの場所は、コザくらいではないでしょうか。
先ほどまでいた「一番街」のアーケードに振り返ると、こんな風景です。
こんな強烈な壁画にも出会いました。
さらに廃墟化が進んだらシュールな古代壁画になっていきそうな気がします。
それにしても、もうちょっと何とかできなかったのでしょうかw
商店街に隣接する「中央パークアベニュー」の探訪を開始
「一番街」のアーケードを抜けると、この商店街に隣接する「中央パークアベニュー」に出ることができます。
国道330号線から、かつてコリンザという商業施設だった建物に抜けていく結構な商店街です。
先ほどの沖縄市ポータルサイトでも、かなりのスポットだとして紹介されています。
⇒中央パークアベニュー : 若いオーナーの店が増えている、半日遊べるショッピングモール
半日遊べるという控えめなキャッチコピーがいいですねw
それでは、半日遊べるという触れ込みの「中央パークアベニュー」に足を踏み入れてみましょう。
ご覧のように、道の両側にヤシの木がある並木道で、両側に歩道と店が並んでいます。
那覇の国際通りを豪華にしたような風景です。
それでは、店が並んでいるはずの歩道を歩いていきましょう。
少なくとも、この風景には営業している店を見つけることができません。
営業している店を探して、探訪を続けましょう。
この写真の右端にパトカーが見えますね。気になるので、見に行ってみましょう。
誰が管理しているのか、どこの店のパトカーなのか、知る術はありませんでした。
大量に貼られているシールと落書き、さらに4つ目のヘッドライトが時代を感じさせてくれます。
さらに探訪を続けましょう。
パッと見た感じだと、本当に営業している店がありません。
ここで半日遊ぶのは難しいでしょうねw
歩道も広くて美しい並木道なので、ここが栄えていたらいい商店街になるやろうなぁとつくづく思います。
政治家の事務所とエロエロの店が出現
玉城みつるさんという議員の事務所が出現しました。これは一応、現役で営業しているということでいいのでしょうか。
エロエロの店でしょうか?20歳未満立ち入り禁止です。
でも風俗なら18歳未満立ち入り禁止なので、酒場でしょうか。いずれにしても営業しているかどうかが定かではないので、知る術はありません。
こういう店が続いているので、おそらく酒場でしょうね。
ただし、営業している雰囲気はありません。
それにしても、まだまだシャッター通りが続きます。
これだけ立派な商店街だけに、シャッター通りになると寂しさが半端ないです。
車道をはさんで反対側を見ても、この有り様です。
酒場の跡地です。
内部のことを中身という表現もどうかと思いますが、漢字間違ってますよw
まさかの図書館が出現
「中央パークアベニュー」を歩いていると、まちなか図書館なる怪しげなスポットに遭遇しました。
うん・・・確かに本があるので図書館かな。
ちゃんと読書スペースもありますしね。
引き続き探訪を続けるも、本当に営業している店がありません。
単に営業時間ではない、休日というわけではなさそうなシャッターの閉まり方です。
ついに「中央パークアベニュー」の終点までやってきました。
終点にある本物の図書館は、かつてコリンザという商業施設があった建物です。その建物から「中央パークアベニュー」を見下ろすと、本当に人の気配がありません。
ずーーーっと人の姿がないまっすぐな風景は、なかなかの絶景です。
先ほどはパトカーでしたが、こんな鳥(ヤンバルクイナ?)のオブジェもあります。
それにしてもオブジェが同じように汚れているのが、さすがです。
「中央パークアベニュー」の周辺にも広がる廃墟
「中央パークアベニュー」の横にのびている道を見ても、営業している店の気配がありません。
どんどん廃墟化が進んでいくのは間違いないでしょう。
つい最近まで開いていたと思われるような風景なんですけどねー。
これだけシャッターのある建物があるということは、それだけ営業している店があったということでしょう。
そう考えると、すさまじい寂れっぷりです。
先ほどの商店街に戻ってくると、銭湯らしき跡地を見つけました。
沖縄は温泉がないので銭湯も少ないのですが、コザの中心部にはちゃんとあったんですね。
国道330号線のところまで戻ってくると、国道沿いにも廃墟が広がっていました。
クルマで走り抜けているだけだと気づきにくいですが、コザの中心部にこんなに大きな「恐怖の商店街」があったとは。
総括
コザ(沖縄市)の廃墟商店街といえば、何と言っても有名なのは「銀天街」でしょう。私も行ったことありますが、確かにすごい廃墟ではあるものの、規模がそんなに大きくなく5分もあれば探訪できてしまいます。
しかし、このコザ中心部は違います。いくつもの商店街が複合している巨大繁華街だったものが廃墟化しているので、インパクトは比べ物になりません。しかし、だからといって沖縄市周辺から人がいなくなったわけではありません。一番大きな影響は中城村にできた大型ショッピングセンターのライカムだと思いますが、そもそも鉄道がない沖縄だけに「駅前」というアドバンテージがないと寂れてしまうのは宿命かも知れません。同じことが名護市中心部の名護十字路でも起きているので、今後沖縄の繁華街はどんどん郊外で大型化していくことでしょう。
それに伴って旧来の商店街が寂れていくのは時代の趨勢だと思うので、今後も沖縄各地の「恐怖の商店街」を探訪していこうと思います。
はじめまして。沖縄市在住の会社員です。
お昼に見たら寂れているように見えますが夜は中部地区でも1,2番を争うほど活気が溢れています。
ぜひ1度夜のコザの町を徘徊してみてください。
週末になると外国人の方もたくさんいてとても賑わってますよ。
コメントありがとうございます。
現地でコザ在住の人と知り合って教えてもらったので写真を撮りに行ったんですが、昼と夜とではそこまで様相が違うんですね。その人に聞いたら夜はあまり知らないということなので、在住の人たちでも知らない一面なのかもしれませんね。
はじめまして。沖縄在住です。
私も先日コロナ自粛明けにパークアベニュー通りを訪れ、オキナワアメリカンかつ廃墟感あふれる雰囲気に大興奮したものです。
てっきりコロナの影響で寂れているのかと思いましたが、去年の方がもっと寂れていたのですね。
コメントありがとうございます。
コロナ自粛の影響でその後を見に行くことができていませんが、私が行った時も廃墟感があちこちにあふれていて廃墟好きにはたまらない風景でした。
沖縄では有名な銀天街がありますが、銀天街は寂れているというのを通り越しているので、コザ中央のほうがリアルな廃墟感があります。
はじめまして。今から30年ほど前、まだ沖縄市中心部が沖縄中部ナンバーワンの繁華街だったときに、ちょうどここに住んでいたものです。
当時、沖縄の中部では、ここ以外に商業施設が集積しているところがなかったので、毎日本当に大勢の買い物客が商店街を闊歩していました。
(テレビCM もしていました。You Tubeにあります。)
ここが徐々に廃れ始めたのは、ちょうどその30年前ぐらいから。
隣の北谷町が、1990年頃以降、米軍基地(ハンビー飛行場、メイモスカラー射撃場)返還後の再開発に成功し、無料駐車場付き大型商業施設ブームの先鞭をつけたのがきっかけです。
北谷ハンビー地区のハンビータウン(1990)、
嘉手納のネーブルカデナ(1992)、
沖縄市泡瀬地区のダイエーショッパーズ泡瀬(1994 )、
北谷美浜地区のアメリカンビレッジ(1997〜)、
うるま市のサンエー具志川メインシティ、イオン具志川(それぞれ2000年代)など、
無料駐車場付きの大型商業施設が県内中にたくさんでき、それとは対照的に、旧来のコザの商店街が急速に寂れたというわけです。
このため、2015年にできたライカムの影響ではありません。(その頃には既に今の状態でしたので)
沖縄市もこの大型商業施設ブームの流れに対抗し、同時に商店街に人を流す仕掛けとして、パークアベニューの端っこ(終点側)に「コリンザ」なるショッピングセンターを第三セクターで建てた(1997)のですが、駐車場を有料化したために集客に失敗し、数年後には見事に廃墟化。
(周辺商店街の周りにある有料駐車場と競合することから無料駐車場を作れなかった)
最終的には沖縄市が税金を35億円ほど投入して清算しています。
ちなみに「コリンザ」という名称は、公募によってコザ小学校の児童が命名したものが選ばれ、「コザの中に凛と立つ」の意味があります。
凛と立つどころか、お荷物化してるのが泣けるのですが。
沖縄市の経営センスの無さはこれに限らず、すぐ近くに同様の商業施設「ミュージックタウン」をその後新たに建設し、半ば廃墟化させている実績もあります。
現在は、
泡瀬の海を埋め立ててリゾートを作る計画(進行中)、
一万人アリーナを作る計画(完成間近)、
パークアベニューの一方通行道路を双方向道路に変更し、道の駅をつくる計画(計画中)などなど、
次から次にトンデモ計画に税金を注ぎ込んでいる有様です。
そんなことをやっているよりも中心市街地の更地化、再開発など地に足の着いた政策をしてほしいものです。
将来的に破綻しないか本当に心配です。
コザの昔の繁栄ぶりが分かる写真展が、プラザハウスショッピングセンター(日本初のショッピングセンター)3階で常設展示されているので、機会があれば行ってみてください。
かなり時間が経ってしまいましたが、コメントありがとうございます。
しかも、私の知らないことを多数教えていただき、勉強になりました。
沖縄はクルマ社会なので、コザ中心地のような風景にはあるはずの「JRの主要駅」がありませんもんね。同じことを名護市の中心部を見た時にも思いました。
第三セクターのセンスのなさは、我が関西も同じです。あちこちに「生きた廃墟」があります。
沖縄市のミュージックタウンは、私も気になっていました。国道沿いにあって「あれナニ?」と思っていましたが、やはりすでに廃墟化しているんですね。
コロナ禍で沖縄は大変な状況ですね、先月美浜と那覇に行きましたがどちらも仮死状態でした。
本当は今月も那覇に行く予定だったんですが、飛行機が欠航に・・・。来月にはめげずに予定しているので、教えていただいた写真展を見に行ってみたいと思います!
はじめまして。
コザに住んでます。
パークアベニューの夜は居酒屋やバーなどがあり、賑やかなイメージです。営業してるのかわかりませんと書いてあったところですが、営業してます(笑)
飲み屋なので夜のみです。
今はコロナで行けませんが、わりと若い人が集まるようなお店が多いイメージです。
かなり時間が経ってしまいましたが、コメントありがとうございます。
夜は賑やかなんですね、ただ今はコロナ禍で大変なことになっているものと想像しています。
沖縄の人に聞くと「若い頃はコザに結構行ってて・・・」なんて話がよく出てくるので、かつての繁栄を偲ぶイメージでした。
今は大変な状況かと思いますが、コロナ禍からの復活も含めて復活を期待しています。
初めまして。生まれも育ちもバリバリの沖縄市中央で、パークアベニューの真裏に現在も住んでいます。
1995年頃までは繁栄しており、それ以前は遊びに行くなら中央パークだと、みんなバスで遊びに来たものです。
那覇市国際通りを歩くと、当時の中央の繁栄ぶりを思い出します。
まるで毎日祭りか?と思うくらい栄えてました。
他の地域に色々大型ショッピングモールが出来た影響もゼロではないと思いますが、何よりコリンザ建設の辺りから、一気に過疎化がすごいスピードで進みました。
あそこは以前はお墓が密集しており、それを無理やり立ち退きさせてコリンザは建てられました。
私たちの先祖の墓も立ち退かされ、その時すでに「嫌な予感」は市民全体にあったように思います。
家族もみんな反対してたし、なんでそんなもの建てる?と疑問しかなかった。
目の前の欲に目がくらんで、中身のない政策を無理やり強行突破した末路です。幼少期から見て来た街が強烈な早さで廃れていくのは寂しいものです。
それを結局、健全な企業からのオファーを断り、飲み屋や夜の街として栄させたのも許せません。
中央は基地が近いのもあり、治安の悪さは県内トップレベルです。
住んでる人間からしたら、夜20時以降、特に女性1人で徘徊するのは危険だと分かります。何度怖い思いをしたか。
治安を悪くする政策ばかりでもういい加減本当にウンザリしている。
コメントありがとうございます。
色々な方からの情報や指摘も、おおむね同様の内容でした。
一度栄えたところが寂れてしまうと、最初から何もなかったよりも寂しい感じになってしまいますよね。
しかもそれが「人災」だと思うと、地元の方々にとって大変な不利益です。
治安についてはあまり知りませんでしたが、日本であって日本でないようなところだと想像します。
そりゃ人もいなくなるわ、という感じている人は多いでしょうね。