【写真39枚】全国有数の酷道、国道308号暗峠の踏破レポート

国道308号線といえば、全国にその名を轟かせる酷道です。大阪市内など市街地の区間では全く想像もつきませんが、暗峠を含む生駒の山越え区間になると突然牙をむいて酷道の本性を丸出しにします。
暗峠をクルマやバイクで走破したというコンテンツはネット上でもちょくちょく見かけますが、しっかり見届けたいということで徒歩で山越えをしてみました。
山越えの酷道区間を大阪側から奈良側に抜ける、踏破レポートです。

近鉄の線路をくぐると、いきなり一方通行の出口からスタートです。

暗峠 徒歩 酷道 308号

クルマやバイクは左から迂回していく必要があります。
こんなところを?と目を疑うようなところを迂回させられますが、ここは徒歩の特権で直進しましょう。

暗峠 徒歩 酷道 308号

到底国道とは思えない住宅街の道を進みます。
路面にスリップ防止加工がしてあることからもお分かりのように、ここからいきなり急坂が始まります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

離合が難しい道幅なので一方通行なのは分かりますが、この先の対面通行区間に入るとここより幅が狭いところがあります。
やはり住宅街なので一方通行にしているのでしょうか?
本当にここは国道308号なのかと不安になった頃に、ちゃんと標識が確認させてくれます。

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住宅街を抜けて、いよいよ山道に入るところです。
ちなみにここはすでに一方通行区間ではなく、対面通行です。
住宅と道路の角度差を見ると、すでに急坂が始まっていることがお分かりになると思います。

暗峠 徒歩 酷道 308号

暗峠はハイキングコースにもなっているので、こんな案内表示が所々にあります。
大阪側は府民公園なので、緑がいっぱいです。

暗峠 徒歩 酷道 308号

見てください、この勾配!
ここを登って行くクルマはあり得ないようなエンジン音を鳴らしていきます。このクルマは下りですが、ブレーキをかなり踏まないとすぐに加速してヤバいことになります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

土砂崩れとか大丈夫なの?と思っていると、こんな看板が。やっぱりね。
通行注意と言われても、どう注意すればいいのか分からない酷道クオリティが続きます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

相変わらずの酷道全開ですが、ハイキングコースとしては中々快適な道が続きます。
この日は8月中旬で灼熱ですが、これだけ緑があるので涼しく感じるところもあったりします。

暗峠 徒歩 酷道 308号

左から出てきている道はほぼ水平です。
その角度差にビビりつつ、どんどん登って行きましょう。

暗峠 徒歩 酷道 308号

この辺りは離合が難しい道幅がずっと続きます。
もしクルマ同士が鉢合わせになったら、どちらかがめっちゃバックする必要があります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

生駒は霊山でもあります。
朝鮮寺が多いことは別の記事でレポートしていますが、暗峠にも朝鮮寺だけでなくたくさんの霊山を感じさせるスポットがあります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

神社と思しき施設の向こうには、国道らしさを感じさせる温度計付きの標識が。
8月中旬の大阪は30度超えが当たり前ですが、すでに29度なので少し涼しいことが分かります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

鳥居をくぐって少し中に入ってみると、さらに涼しげな風景となります。
霊験あらたかな空気が漂っているのも、さすが生駒。

暗峠 徒歩 酷道 308号

ここからが、いよいよ暗峠が最も凶暴さをむき出しにします。
国道の最大斜度区間があることでも有名ですが、この辺りの方が斜度があるのでは?と思うほどの壁が出現します。
クルマで通った時もかなり大変そうでしたが、徒歩でも登るのもキツい角度です。

暗峠 徒歩 酷道 308号

少し勾配がマシになってきたかと思いきや、いよいよ有名スポットに差し掛かってきました。
ここが国道最大斜度37度のカーブです。

暗峠 徒歩 酷道 308号

このカーブの内側が37度あるそうです。
果敢にチャレンジした車両たちの壮絶な爪跡が残っていますね。
確かに内側に立ってみると斜面を手で触れるほどの急勾配です。

暗峠 徒歩 酷道 308号

最大斜度をクリアすると、しばらく鳴りを潜めていた狭さが襲ってきます。
単純に道幅が半分ほどになっていますね。

暗峠 徒歩 酷道 308号

狭さ爆発の道を抜けると、ここも有名なスポットです。
左から出てきているのは慈光院というお寺につながる道で、この先は交差点になっています。

暗峠 徒歩 酷道 308号

この交差点が、かなりの曲者です。
何が曲者かというと・・・
右に行きたくなるところで、国道308号線は左です。

暗峠 徒歩 酷道 308号

もっと近寄ってみると、この凶暴さが分かります。
今ではこの道幅が凶暴すぎるということで改良されていて、道幅が少し追加されています。
この時点では普通車1台分で精一杯という道幅で、タイヤを落としたら最後、国道を通行止めにしてしまうでしょう。

暗峠 徒歩 酷道 308号

酷道全開の道幅はこの場所だけでなく、その後も続いているのが見えます。
ということは、この先で対向車が来たらここまで下がってくることに・・・?
考えただけでも恐ろしい道を、さらに進みましょう。

暗峠 徒歩 酷道 308号

狭いと思っていた道が、さらに狭くなっていきます。
暗峠の中では最も道幅が狭い区間だそうです。
急勾配でさんざん痛めつけられた後には激狭という神経戦が続きます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

激狭区間の両側には民家が続きます。
この辺りになると勾配は緩やかになってくるので、いよいよ峠が近いことを感じさせてくれます。
暗峠はもうすぐです!

暗峠 徒歩 酷道 308号

峠が近づいてくると、新たな刺客が。
今度は石畳のデコボコ攻撃です。
見ただけだと模様だけが石畳になってるように見えますが、よーく見ると・・・

暗峠 徒歩 酷道 308号

かなりエグい凹凸のある石畳です。
クルマで通ると中の物が散乱してしまうほどの揺れを楽しむことができます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

急勾配、激狭、そしてデコボコ石畳。
それをクリアした者だけが出会える光景が見えてきました。

暗峠 徒歩 酷道 308号

暗峠に到着です。
峠がそのまま県境になっているので、そこから先はもう奈良県です。

暗峠 徒歩 酷道 308号

反対側に回って見ると、大阪府の表示があります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

中々古そうな暗峠のシンボルも鎮座しています。
昔の人はこれを見て一息ついていたのかも知れません。

暗峠 徒歩 酷道 308号

県境を越えると、正面には交差する道路があるのが見えます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

交差している道路に続く小道があるので登ってみると、そこは有料道路の信貴山スカイラインです。
暗峠を交差していることがしっかりと表示されています。

暗峠 徒歩 酷道 308号

国道308号は信貴山スカイラインをくぐる形で立体交差しています。
ジェットコースターのような下り坂からトンネルを抜けると、いよいよ奈良県側のスタートです。
そこを振り返ると、ロングボディーのクルマは通るべからずと書かれています。ここまでの道を考えると、ロングボディー以外のクルマも厳しいと思いますが。

暗峠 徒歩 酷道 308号

奈良県側の道を進むと、地元の農家が卵を売っています。
この日は盆休みのせいか売り物の卵はありませんでした。

暗峠 徒歩 酷道 308号

大阪府側と比べると霊山の趣をあまり感じなくなりますが、立派なお地蔵さんが鎮座している風景もあります。

暗峠 徒歩 酷道 308号

大阪府側では全く見ることがなかった、フルスペックのおにぎり。
奈良県側に来て初めて、ファンサービスとしか思えないほどしっかりしたおにぎりが微笑みかけてくれます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

住宅地の中を下っていく道がひたすら続きますが、大阪府側と比べると圧倒的に坂道が緩やかで道幅も広くなります。
実はクルマ同士の離合が難しい場所もあったりしますが、ここまで通ってきた道を考えると酷道感はかなり薄れます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

奈良県側の麓が見えてきました。
この辺りは眼前にいい感じの風景がずっと続きます。

暗峠 徒歩 酷道 308号

暗峠は最後の部分も一方通行になります。
つまり大阪側から行くと最初に続いて迂回することになります。
ここにもロングボディーのクルマに対する警告がありますが、この交差点の風景からあの修羅場を想像するのは無理でしょう。
道路標識の忠告は聞いておくべきですね。

暗峠 徒歩 酷道 308号

国道308号は暗峠区間が最も凶暴ですが、実は暗峠を過ぎてからも酷道が続きます。
暗峠は大阪と奈良の最短ルートとして古くから利用されてきているので、単純に最短距離というだけでナビに連れて来られたクルマが立ち往生しているのを何度も見かけました。東大阪市から全部クルマで走破するとかなり疲れるので、お急ぎの方や酷道運転に自信がない方は近寄らないようにしましょう。
以上、暗峠の踏破レポートでした。

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