北海道の一番近いところまで行って北方領土を見てみた(北海道・納沙布、標津)

北海道からすぐ近くに、日本の領土でありながら日本人が行くことができない北方領土があります。そんなに近いのかということを確認しに、北海道の中でも北方領土に一番近いところまで行って実物を見てきました。納沙布岬からは歯舞群島が、標津町からは国後島が見えます。残念ながら今はそこが事実上の国境になってしまっているわけで、その「国境」を見てきたレポートです。

北海道の東端、納沙布岬へ

北海道の形はすぐに思い浮かべられると思いますが、「右のとがった部分」の先に納沙布岬があります。北海道の東端であり、現在は事実上日本の東端です。釧路でレンタカーを借りて、走ること2時間半ほどで納沙布岬に到着です。
「本土最東端」の表示があります。

北方領土 目視 北海道

根室十景のひとつに選ばれている景勝地でもあります。

北方領土 目視 北海道

北方領土を望む場所でもあるので、北方領土を返せ!的な表示板や石碑などもたくさんあります。
この写真をよく見て、海の向こうに陸地が写っているのが分かりますか?

北方領土 目視 北海道

拡大してみましょう。
それほど高い陸地ではないので分かりにくいですが、これが歯舞群島の西端です。

北方領土 目視 北海道

納沙布岬からの距離感を見てみると、かなり近いですね。
上の写真を見ると、何か観測施設?灯台?のようなものも写っているのが分かります。

北方領土 目視 北海道

それでは、北方領土を返せ!的なモニュメントを向かって右から順に紹介します。

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

こんな感じでモニュメントが並んでいます。

北方領土 目視 北海道

地面にも北方領土の地図と、「日本固有の領土」という表示があります。
納沙布岬がただの景勝地ではなく、領土問題の最前線であることがひしひしと伝わってきます。

北方領土 目視 北海道

納沙布岬から北方領土までの距離が記されています。これを見ると、本当にすぐ近くであることがよく分かります。

北方領土 目視 北海道

この地面の表示の先にも、「返せ北方領土」のモニュメントがあります。

北方領土 目視 北海道

こうしたモニュメントは、まだまだあります。

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

北方領土 目視 北海道

日の丸とともに、「島を返せ」旗もはためいています。

北方領土 目視 北海道

こちらも四島返還を願う巨大モニュメントです。
燈台には火が灯されています。

北方領土 目視 北海道

1つの石に1つの都道府県名が刻まれていて、日本全国が北方領土が戻るのを待っているよ、というモニュメントです。

北方領土 目視 北海道

根室市が設置している、北方領土資料館です。

北方領土 目視 北海道

裏観光地の香り漂う、オーロラタワー

この資料館の裏側には、オーロラタワーという巨大な展望塔があります。

北方領土 目視 北海道

入場料金は500円で、この展望塔に上ることができます。

北方領土 目視 北海道

晴れている日には、歯舞群島がとてもよく見えるそうです。
この日も晴れていましたが、歯舞群島だけでなく国後島も見たかったので、先を急ぎました。何せ北海道はめちゃくちゃ広いので、ちょっとした移動というだけでもすぐに100km規模になります。早く移動しないと明るいうちに国後島が拝めないので、オーロラタワーは泣く泣くスルーです。
ちなみにオーロラタワーの隣には、かなりいい感じの廃墟があります。喫茶&レストランだったようです。

北方領土 目視 北海道

国後島を見るために、標津町へ

次は国後島を見るために、納沙布岬から根室市街地に戻り、そこから北上をします。
納沙布岬から根室市街地までの間は、果てしない地平線が広がっています。もちろん道中にも北方領土を返せ!的な看板が。

北方領土 目視 北海道

国後島の対岸にあたる標津町を目指します。
矢印が示している付近が国後島に近く、ここからだと近くに見えそうです。

北方領土 目視 北海道

先ほどの矢印が示している地点に到着、まずはズームで国後島を撮影。

北方領土 目視 北海道

ちょっと引きの写真もご覧ください。国後島の全体的な姿がよく見えています。

北方領土 目視 北海道

さらに引きの写真で。この写真で標津町の海岸から国後島への距離感が分かりやすいと思います。
こんなに近くに「国境」があって、海の向こうの国後島はロシアに占領されたままになっているのです。

北方領土 目視 北海道

ちなみに、この写真を撮った地点には「標津ニコライ亭」というレストラン(?)の廃墟があります。
この廃墟もなかなか見どころいっぱいなので、国後島を撮ったついでに撮っときました。

北方領土 目視 北海道

北方領土問題への関心の低さを象徴するオンボロ資料館

標津町には、北方領土館という施設があります。この日はすでに閉館時間を過ぎていたので入れませんでしたが、2階に望遠鏡が設置してあって国後島を望むことができます。
でもこの北方領土館、かなりボロいです。予算が少ないのか、日本人の関心の低さを象徴しているようにも見えます。

北方領土 目視 北海道

すぐ近くに公園が整備されていて、そこにも標津町と国後島の位置関係がよく分かる地図が設置されています。

北方領土 目視 北海道

こうして見ると、やっぱり近いですね。そりゃあ肉眼でもくっきりと見えるわけです。

総括

日本は四方を海に囲まれた国なので、国境を意識することがほとんどありません。事実上の国境になってしまっている北方領土と北海道の距離感はどうなっているのか?現地の雰囲気は?という興味があったので実際に行って見てきたわけですが、本当に近いです。もしロシアが本気で北方領土から軍事侵攻をしてきたら北海道の東部はアッと言う間に占領されてしまうでしょう。そんな脅威すら感じる近さです。

海岸付近で不審者がいたら通報を、という看板を何度か見かけました。そんな雰囲気からも「国境の町」という緊張感を感じることができました。北方領土なんて北海道のさらに先にある辺境と思ってしまうことが関心を低くしてしまうのかも知れませんが、この関心の低さが北方領土問題の解決を遠ざけている最大の原因だと強く思いました。

 

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