豪雨災害で橋が流されたJR芸備線の代行バス乗車レポート(広島・安佐北区)
|2018年7月に広島を襲った豪雨災害で、JR芸備線は甚大な被害を受けました。順次復旧は進んでいるものの、安佐北区白木町にある鉄橋は流されたままで、三次駅と狩留家駅の間が運休状態になっています。この区間をつなぐために、下深川駅から代行バスが運行されています。
仕事でこの先の白木山駅に行く必要があったのですが、もろにこの区間の運休の影響を受けてしまいました。
これも経験ということで、JR芸備線と代行バスを乗り継いで移動をしたレポートをお届けします。
目次
JR広島駅から不穏な空気が流れる
広島駅から芸備線のホームに行くと、そこには「狩留家行き」の表示が。初めての地で特に深く考えていなかったのですが、この時点で重大な事実が発表されています。
私はてっきり、狩留家が行先のさらに向こうにある駅だと思い込んでいたので、この時はまだ何とも思っていませんでした。
入線してきた車両が私好みのレトロ感を醸し出しているので、これから起きる重大な事実のことも知らずはしゃいでいましたw
もちろん、車内の写真もあります。垂直のシートと天井の扇風機が最高ですね。
乗客が一斉に下深川駅で下車、車内アナウンスで重大な事実を知る
列車はいい感じの風景の中を走り、順調に目的地に向かっていました。そんな中、下深川駅で異変が起きました。
他の乗客が全員降りていったのです。そんなにメジャーな駅なのかと思っていたら、車内アナウンスで「運休区間の代行バスはお乗り換えです・・・」と、確かに聞こえました。
運休?代行?何のこっちゃと思いつつ降りました。
そこで早速、スマホで事情を検索。なんと、狩留家と白木山の間にある鉄橋が流されてしまい、その区間を含む三次駅までが運休中とのこと。その代行バスは下深川が始発なので、その先に行く乗客が一斉に降りたのでした。
しかし、まだ事の重大さには気づいていません。
ちなみに、その鉄橋はこんな感じだったみたいです。Googleのストリートビューにはまだ鉄橋がある様子が残っています。
代行バスはまさかのスカスカダイヤ
下深川駅を出て代行バス乗り場を探すと、のぼりが出ているのですぐに見つけることができました。
災害で不通になっている鉄道路線を代行バスで移動するというのは人生初の経験なので、不謹慎ながらちょっと萌えました。
しかし、次のバスは何時なのか見てみると・・・
まさかのスカスカダイヤです(泣)
鉄道のほうは30分に1本くらいあるのですが、バスは1時間に1本。しかもJRと全く連絡していないので、下深川駅で待ちぼうけを食らってしまいました。20分くらい余裕をもって出発したのに、この待ちぼうけのせいでアポの時間に遅れるという始末です。
下深川駅から電話を入れて事情を説明すると、まさか鉄道で来るとは思ってなかったようでビックリされてしまいましたw そういう地域なんでしょうね。
待つこと小一時間、バスがやってきた
時刻表にないバスがきて目的地に近いところに行ってくれないかなと思いつつバスを待っていました。この思考は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の見すぎですねw
結局、色々とバスは来ましたが全く行先は違っているようで、時刻表にあるバスを待つことになりました。
「鉄道代行」というバスの表示を見るのは初めてです。写真のように、他にも待っている人がチラホラいました。
車内は、まさに路線バスそのものです。
車内で気づいたのは、運賃のこと。
下深川駅でバス運賃のことを聞いたら、「目的地までの切符を買って運転手に見せてください」とのこと。その通りに切符を買ってバスに乗ったのですが、途中の停留所で降りていく乗客は誰も切符を持っていませんでした。中には後部ドアから降りる乗客も。
どうやら事実上、運賃無料で運行しているみたいです。私も地元の人たちにならって、帰りは切符を買うことなく下深川駅まで戻りました。
代行バスの「駅」に広がる、のどかな風景
目的地の白木山に到着して、バスを降りました。走り去っていくバスを見送っていると、何とも寂しい気分になる風景が待っていました。
訪問先の人がクルマで来ないことに驚いていた理由が、この風景からも分かります。
完全にクルマ移動メインの風景ですね。道の端を歩いているとクルマがびゅんびゅん走るので怖かったです。
帰りのバスを待っていると登山客が
訪問先での仕事を終えて、帰りのバスを30分くらい待っていると他の乗客もやってきました。
その服装は、完全に登山客。「白木山」という駅名なので、白木山という山へ登山をする人のための駅なのかも知れません。これまた、えらいところまで来たもんです。
定刻から5分ほどの遅れで、帰りのバスがやって来ました。他の登山客が待っていなければ、バスが遅れてる時点でかなり不安になっていたことでしょう。
バスに揺られて、今度は終点の下深川駅に向かいます。
下深川駅に着いてバスを降りると、早くもこの代行バスが愛おしく見えました。ありがとう、代行バス。
下深川駅に着くと、駅前には身内などを迎えに来たと思われるクルマが並んでいました。
これだけ連絡が悪いと、迎えに来てもらったほうが早いのでしょう。
この鉄橋は、2019年秋頃の復旧を目指して絶賛工事中だそうです。
それまではこの代行バスが芸備線の役割を果たすので、山間を走るバスの活躍は続きます。
以上、JR芸備線の代行バス乗車レポートでした。
今日三次に行くのに、これを使いました。点数つけるなら、100点満点で10点。ただただ、疲れたね。トロいし。
広島三次高速バスが1490円なら、200円だったらばこっちを選んでもいいかな。
コメントありがとうございます。
私は現地に行っていきなりその事実を知ったので点数をつける間もなく、とにかく白木山まで行かなければならないと切羽詰まっていたので「渡り人に船」でした。
記事中にも書いていますが、事実上無料なので金額で比較するなら圧倒的なコストパフォーマンスです(笑)